Gitのコードを読む:code of conduct(行動規範)
前回、C言語の勉強材料としてGitを選択し、ビルドの完了までをやりました。
さて、ここからどう学習を進めようかとプロジェクトを眺めていると、
不思議なタイトルを持つ文書を見つけました。
CODE_OF_CONDUCT
code of conductとは、日本語訳で行動規範となります。
中身をぱらっと見ると、
このコミュニティの参加者はどう振る舞うべきなのか、規律を乱す者にはどう対処するか、
等が書かれているようです。
・・・オープンソースの文化って凄いですね。
こんなことまでプロジェクトに入れる必要があるのでしょうか?
気になってきたので、もう少し深堀したいと思います。
(もはやC言語とは何も関係ないですねw)
Contributor Covenant
CODE_OF_CONDUCTを最後まで読むと、出展元が書かれていました。
Contributor Covenantが出展元のようです。
日本語訳でコントリビュータ行動規範となります。
あまり聞き慣れない単語なので、何かをググってみると、以下のページが出てきました。
どうやらContributor Covenantとは、オープンソースコミュニティにおける行動規範を示すための、一種の社会運動のようです。ページの内容をかいつまんでみると、
- 誰にでも受け入れられる言葉づかいをしよう
- 異なる意見を尊重しよう
- 性別や人種、宗教等による差別はやめよう
- 個人への攻撃はやめよう
- 行動規範に違反する行動は、プロジェクトに報告してくれ
といった感じでしょうか。
よくもわるくも今風なこと言ってるなーと感じるのですが・・・
オープンソースという性質を考えると、大切なことなのかも。
世界中から様々な人がプロジェクトに参加する可能性があるため、
自分では冗談のつもりでも、相手には間違って伝わるかもしれないし。
とまぁ、僕が色々推測してもあまり意味がないですね。
素直にホームページのトップあたりを読むことにします。
(めちゃくちゃ意訳してます)
オープンソースコミュニティはインターネットと供に発展してきたが、女性や人種、マイノリティに対して、差別的な発言に出くわすことがある。
時にはコミュニティメンバの意に反して、マイノリティを傷つけているケースもある。
この問題を解決するには、全ての人を等しく歓迎し、相互理解を促進する雰囲気作りが必要である。
Contributor Covenantに賛同して、多様性に配慮したオープンソースコミュニティを築きませんか?
僕の推測もそれほど間違ってなさそうです。
ちなみにContibutor Covenantの発案者は、Coraline Ada Ehmkeという方のようです。
アメリカ・シカゴ生まれのソフトウエアエンジニアです。
CoralineがContibutor Covenantを発表したのは2014年です。
意外と最近の話なんですね!
Code of Conflict
Contibutor Covenant、素晴らしい考え方なのですが・・・
中には反対意見もあってもいい気がします。
というかグーグルの予測検索に criticism が出ていたので、きっとあるんだろうなと。
ググってみたところ、以下の興味深い記事を見つけました。
記事では(少し前の)Linuxコミュニティの行動指針 Code of Conflictについて触れています。
Code of Conflictの特徴は、批評や批判を推奨していることです。
Linuxコミュティでは、現在に至るまでメンバ間に多くの争いごとがあったようです。
メンバ全員がLinuxを素晴らしいものにしたいからこそ、争いごとが起きるのであり、その歴史が今のLinuxを作っているのだと。
しかし2018年、LinuxコミュニティはCode of Conflictを破棄しています。
代わりに、現在ではCode of Conductを採用しています。
Code of Conductでは、批評や批判を推奨する記述は削除され、代わりにメンバ同士の協調を説いています。
いやー、時代の流れを感じますね!
まとめにはいりますが、
僕は Contributor Covenantの運動は、即効性のあるものではないと思います。
文書を一つ追加したところで、ほとんど何も変わらないでしょう。
それまで非難してばかりの人が、急に広い心の持ち主になるわけがない。
どちらかといえば、人々に「気付き」を与えるためのものだと考えます。
少なくとも、プロジェクト内の Code of Conduct を見つけた人に対しては、
「今日は言葉使いに気を付けてみるか」
といった気持ちを抱かせる効果はありそうです。
それだけでも、この運動には価値があると思います。
長い年月でみたときに、その小さな積み重ねが社会を変えていくのかもしれませんね。
Contributor Covenantの今後の動きに注目です!
以上です。
今回はプログラムに関する話ゼロなので、次回は何かしら触れたいなー。