らんらん技術日記

日々の学習メモに

古くなったDVDのデータを復旧!

冬休みで実家に帰省中、両親からある頼み事をされました。
「このDVDに保存したビデオ、見れなくなってしまったの。なんで見れなくなったのかわかる?」

渡されたDVDは、Fujifilme製のDVD-Rでした。

とりあえずDVDデッキに入れてみるも、特に反応なし。
それならばと、パソコンで中身を確認すると・・・どうやら空のディスクのようです。しかも容量は0バイト。カラス避けの円盤かな?

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念のため汚れもふいたのですが、効果はありませんでした。
・・・これは長期戦の予感です。
「家に戻って調査してみるわ! パソコンには詳しいから任せといてよ」
と帰宅の途に着いたのでした。

データが読めない原因

意気揚々と帰宅したものの、DVDのことなんて全く詳しくありません。
小さなプライドを死守すべく、グーグル先生に助言を求めます。

その結果、
DVD-Rの経年劣化が原因ではないか
という結論に至りました。
サイトによってまちまちですが、DVD-Rの寿命は3年~10年ほど。
DVD-Rの記録のメカニズムは、ディスク表面についている蛍光塗料を焼くことのようです。蛍光塗料の有無で、レーザー光の反射強度が変わるので、それでビットのON/OFFを判定するようです。「DVDにデータを焼く」なんて言い方をしますが、ここから来ている表現のようですね。当然のことながら、品質が低いDVDライターで焼いた場合には、データの劣化が激しいようです。

経年劣化を疑ってDVDの表面を見てみると、ディスク表面に怪しい歪みがありました!

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矢印で示した部分は、DVDの物理的な構造のうち、リードインと呼ばれる領域に含まれていそうです(確信なし)。リードイン領域の役割の一つが、DVD内のデータの構造を記述することです。以上より、

DVDドライバがリードイン領域を正しく読み取れなかったので、データ構造を把握できなかった

ことが今回の原因だと思われます。

参考:DVDの構造について
www.cqpub.co.jp


データの復旧方法

IsoBusterというソフトを使って復旧しました。
www.isobuster.com


IsoBusterの基本的な使い方は、以下のサイトが参考になると思います。
jisaku-pc.net


簡単にですが、IsoBusterによる復旧メカニズムに触れておきます。
はじめにディスク全体のデータをバイナリとして読み込みます。読み込んだバイナリから、ファイルシステムやファイル識別情報と思われる部分を探し出し、ファイルの抽出に繋げます。ファイルの一部が破損している場合は、簡単なエラー訂正等も行うようです。

実際に使ってみます。
壊れたDVD-Rを選択すると、ファイルシステムが見つからないと表示されます。

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仕方がないので「try a search for missing files and folders」を押します。
全セクタの読み込みが開始します。僕の環境だと10分程かかりました。

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スキャンが完了しました。

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ファイルの識別情報から、3つのファイルを探し出したようです。このうち、一番サイズの大きなファイルが今回のターゲットです。ファイルを右クリックし「Extract」を選択すると、個別ファイルとして保存することができました。
後は適当な動画プレイヤーで再生します。

無事、ビデオを見ることができました!!

最後に

ビデオが見れたことを両親に報告すると、とても喜んでくれました。
よかった、よかった。
僕のプライドも守ることができました。
よかった、よかった。

とはいえ、今回はラッキーだった気がします。もう少しアクションが遅かったら、経年劣化が進み、データの復旧はできなかったかも・・・。家にある他のDVDも、定期的にバックアップしとかないとなー。

以上です。